オワタロウのヨタ話

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【この世界の片隅に】映画の見どころとキャラクターを紹介するよ!【原作と違う点も紹介】

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面白いという噂を聞いて、普段観るジャンルでもないのに、なんとなく何かに惹かれて見に行ったこの映画。

 

普段は、洋画でコスプレした野郎どもがバシバシ殴りあってるような映画しか見ない私でも、感動して、そして抉られた

そんな素晴らしい映画を紹介したいと思います。

 

基本情報

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監督/片渕須直

脚本/片渕須直

原作/こうの史代この世界の片隅に

再生時間/2時間9分(129分)

 

監督:片渕須直ってどんな人?

片渕須直(すなお)。男性。

1960年生まれの監督、脚本家。

学生時代から宮崎駿のもとで『名探偵ホームズ』に脚本として関わっていた人。

魔女の宅急便には演出補として関わっていたりと実力は折り紙付き。

テレビアニメの作品では名犬ラッシー』や『BLACK LAGOON』などが有名か。

 

原作:こうの史代ってどんな人?

こうの史丈(ふみよ)。女性。

1968年生まれの漫画家、イラストレーター。

夕凪の街 桜の国という原爆投下後の広島市を舞台にした漫画で高い評価を受け、2007年には映画化され、2018年の夏にはドラマ化されています。

こちらの作品は原爆で死んだ人ではなく死ななかった人たちはどう生きたのかということを描いていて、この血はこの世界の片隅にも受け継がれている。

 

どういう作品なの?

『戦争と広島』をテーマとした作品で、舞台の中心は第二次世界大戦末期(昭和18年~昭和21年)の広島の呉市

主人公のすずが、広島市での幼少時代を経て、嫁ぎ先の呉へやってくるというストーリー。

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戦時中の広島といえば原爆を連想されると思いますが、この作品は原爆だけではなく、戦時中の一般市民がどう生きていたか?という事を主人公のすずの目線から描くというテーマの作品です。

他の戦争をテーマとした作品と同じ反戦』という言葉でくくるのは非常にもったいない作品でもあります。

 

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また、シーンの合間(原作では話数)に入る昭和〇〇年〇月というテロップは、徐々に大きくなる戦争の影と、原爆投下へのカウントダウン、そして終戦までの流れを強く感じさせるものがあって、戦争の恐ろしさを強く印象付けられるでしょう。

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とはいえ、作品自体は終始暗いわけでもなく、すずと嫁ぎ先の北条家の人たちとのほのぼのとしたやりとりも多いのが特徴。

そのやりとりも決して浅いものではなく、時代感をリアルに描いているし、ドラマとしても深いものがあって、これだけで完成度が高い。

 

戦争の悲惨さだけを切り取った多くの反戦作品とは違い、戦時中の日本を生きた人たちのありのままを描こうというスタイルで、この点が他の戦争をテーマとした作品とは決定的に違うところ。

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この決定的な違いと徹底した取材から作られたリアルな描写が、2時間という短い時間で、すずという人間の3年間を追体験させられたような錯覚すら覚える、他に類を見ない驚異的なクオリティを生み出しています。

 

私が劇場でこの映画を視聴した時は泣きながら放心して、幕が上がっても劇場を出られなかったほど。

そして他の観客を含めて全員が同じように圧倒され、ため息を付き、鼻を小さくすすりながら劇場を後にしたあの空気は、滅多に経験できるものではなくて、とても貴重な体験でした。

 

 登場人物

浦野(北條)すず/のん

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絵を描くことが生きがいで、裁縫は苦手(作中のもんぺの作り方だと少しおかしな出来上がりになってしまうらしい)

実家は広島県江波にあって、海苔梳きで生計を立てている。

19歳で縁談を受け、北条家へ嫁ぎに広島市から呉にやってきた。

 

マイペースでおっとりした性格。抜けているせいで、よく事件を起こしていく。

ちなみに裏設定ではすずさんは今も存命で91歳(2016年時)。広島カープを応援しているらしいです(笑)

 

声優はのん(能年玲奈)。今作の演技を見ているとやはり実力のある人だなと感じますね。

大人の事情で、千と千尋のごとく名前を奪われてしまって、不憫です。

北條周作/細谷佳正

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すずの夫。幼少期に一度だけ会っただけのすずに結婚を申し込む

すずより4歳年上で、海軍の法務局に勤務している。

まじめな性格で、大人しめの人。

一方的に縁談を持ち込んだことに引け目を感じているところがある。

 

声優さんは「止まるんじゃねえぞ…」でお馴染みのオルガ・イツカ機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ)などが有名。

北條円太郎/牛山茂

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周作のお父さん。穏やかな性格の人。

原作では、海軍をクビになって、激怒しながら退職金代わりに勝手にクワを作って持って帰ってきたシーンが笑えるのですが、カットされています。

映画だと片鱗しか見せないけれど、科学オタクな一面があって、話し出すと止まらない性格。

 

声優さんはONE PIECEのDr.ヒルルクが一番知名度高そう。

北條サン/新谷真弓

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周作のお母さん。こちらも穏やかな性格の人。

足を悪くしていて、寝込んでいることが多い。

水原哲/小野大輔

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 すずの幼馴染で、すずとは両想いだった節がある

家が貧乏だったため、海軍に入隊して水兵になった。

 

声優の小野大輔さんは、空条承太郎ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダーズ)や緑間真太郎(黒子のバスケ)など、有名な役が多いですね。

 黒村経子/尾身美詞

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周作のお姉さん。アクティブで面倒見のいい人。

さばける人ではあるけど、手先が不器用という欠点もある。

 

旦那は病死していて、子供は二人。長男は跡取りとして旦那の実家に引き取られてしまい、生き別れになってしまった。

原作ではお寺で働いているエピソードがあり、いろんな人の相談に乗っている。

このエピソードはストーリを知っているとすごく切ない。

黒村晴美/稲葉菜月

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経子さんの娘。生き別れとなった兄の影響で軍艦などの知識が豊富

活発で優しい性格。すずと仲が良い。

浦野すみ/潘めぐみ

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すずの妹。工場で働いており、若い将校と両想い。

すずのことをすずちゃんと呼ぶ。

浦野十郎/小山剛志

すずの父親。海苔梳きで生計を立てていたが、埋め立てによって職を失い、工場勤務になる。

浦野キセノ/津田真澄

すずの母親。

浦野要一/大森夏向

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すずの兄。鬼イチヤンと恐れられ、浦野の鬼イチャンを見たら全力で逃げろという男子の掟を作られるほど、強い性格。

白木リン/岩井七世

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 遊郭で働く女性。幼いころにすずと関りがあり、遊郭に迷い込んだすずと仲良くなる

原作ではストーリーに大きく絡んでくるが、映画ではカットされ、控えめ。

 

この映画のすごいところ

 

細部まで作りこまれたリアルな描写

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描写が徹底的にリアルで、大量の資料から、当時の建物や当時の暮らし、当日の天気までも再現しています。

当初はクラウドファンディングで集めた資金で制作しており、監督自身も自分の貯金が底をつくほど追い詰められた時期もあったのに、ここまでやる熱量の高さ。

労力をかけ方がもはや狂人。

 

そしてこれを押し付けない。当時の人はこういう風にやっていたんだよという説明はせず、キャラクターをよりリアルにするためだけに使っている思い切りの良さ

これらの純粋に作品を素晴らしいものにしようという思いが、60代や70代の普段アニメを見ない層にまで支持されるという結果を出したのでしょう。

 

のんがめちゃくちゃハマり役

 すずの声優に抜擢されたのんがとてもキャラにマッチしてて素晴らしいです。

あのほんわかとして少し抜けた、でも決してただの能天気ではない性格は彼女でないと表現できなかったのではないでしょうか。

 

すずさんがかわいくてエロい

 ところどころでエロいんですよ!すずさん!

女性の部分が出た時の妙なエロさがね、良いですよ。色っぽい!

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見てくださいよこの色気。見てるこっちがドキドキしますよ!

 

ぬるぬると動く作画

 作画がぬるぬるしている。作画枚数が普通よりも多いんじゃないかと感じるぬるぬる感。

しかし作画枚数自体はそれほど多くはないらしく、テレビアニメ並みのコマ数で作られているそうです。

 

これはテレビアニメが使っている『ロングレンジ』という手法を使わずに『ショートレンジ』という手法を上手く活用したために、普通の作画枚数なのに動いて見えるという現象を生み出したのでないかと言われていて、こういった視点で見るのも面白いかもしれないですね。

 

空襲の描写が凄まじい

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空襲の描写がとにかく怖い。死の臭いを感じるほどに丁寧に描写されています。

 質の高い戦争描写は、反戦を声高に叫ばなくても、見る側が自然と反戦の気持ちを持てるのだなと感じましたね。

 

 原作と映画の違い

意外とカットされたエピソードが多くて、リンさんとのエピソードの大幅カットがストーリーの印象を大きく変えています

夫婦間のやりとりが原作の方が生々しいというか、ドロっとしています。

 

映画を見て気に入った方は、原作も読んだ方がより理解が深まるのではないでしょうか。

原作を読む時の参考になればと思い、カットされたものをまとめてみました。

 

カットされたもの

リンさんに関わる部分は青字にしてみました

 

・人さらいから逃げたときに、周作が父親に泣き付くシーン

・水原がすずの鉛筆を奪って、遊びに使った際に、鉛筆を紛失するエピソード

水原を見たら全速力で逃げろという女子の掟のくだりが、要一のそれと対比になっていた)

・周作が海軍でバリカンの練習台にされて坊主にされたエピソード

・サンのお願いで、すずがサンを自転車に乗せて、国民学校へ連れて行ってあげるシーン

・小松菜の種がどこにでも生えるからと、晴美とすずが変なところを見つけては植えまくるエピソード

すずの妊娠疑惑が出た時のリンとのエピソード

親戚の小林家が北条家を訪ねてきた時のエピソード

・代用炭団不妊を気にするエピソード

・経子さんがお寺で働いている描写とエピソード

昭和20年2月にすずが遊郭を訪ね、リンに贈り物をするエピソード

・晴美の教科書をもらいに行くエピソード

テルちゃんと口紅のエピソード

焼夷弾が落ちてきたときに、すずが周作にリンさんの無事を確認してほしいと頼むシーン

その後の溝の中で、周作とすずがケンカするエピソードの会話内容の1部変更

・円太郎が海軍をクビになった時に、資材を使ってクワを作り、退職金がわりに仲間内に配ったエピソード

終戦後の遊郭のエピソード

 

まとめ

戦争というジャンルを一般人の目線から描いた新しい切り口の作品

 

普通の人達はどうあの時代をどう生きていたのか。

そして厳しい現実をどう乗り越えていったのかという日常の話は、根っこの部分では、私達の生活にもどこか通じるところがあります。

 

時代感や文化は今とは違うものの見ている側にも共感できる部分はとても多いです

 

この作品は、戦争を知らない私達と戦争を知っている方々のどちらにも響くものがあるはずです。

可能ならば、戦争を経験された方と一緒に視聴して、当時の話を聞きながら内容を理解するのがベストでしょう。

 

1度は見るべき素晴らしい作品と言っても決して言い過ぎではない、クオリティの高い作品であることは間違いないです。